よく解るLED照明の解説 −LED照明のエル光源−

よく解るLED照明の解説
<< LED照明とは >>
たいまつ、ローソク、ランプから電気による照明である電球、蛍光灯と人工の明かりは進化してきました。
弊社が開発製造するのは”次の明かり”である、LED(発光ダイオード)を光源とする照明です。同じLEDを使った器具でも、表示用途の(信号機、電光掲示板など)LEDディスプレーとは区別しています。なぜなら、 ディスプレー用途の場合人間の目はLEDそのものを見ますが、LED照明の場合はLEDを人が直接見るのではありません。 人が見ているのはLEDが照らしている場所なのです。この場合、光量が圧倒的に多く必要となります。


1.明るさの比較    2.発光の原理が違う   3.明るさ以外の各光源の特徴

コラム
1、寝室読書灯LFX1シリーズが売れる理由
2、まだまだあるぞLFX1の秘密
3、LFX1シリーズの大切な機構部品はここで作っています
4、狂牛病はなぜ起こったのか?(読書灯は点滅してもいいのか?)

電球、蛍光灯、LEDの発光効率変遷
電球・蛍光灯・白色LEDの比較グラフ

1.明るさの比較

照明の明るさを表示する単位として、照度(ルクス)、光度(カンデラ)、光束(ルーメン)などが あり難しいですが、光源(電球か蛍光灯かLEDか)のもつ絶対的な能力(明るさ)の比較を する場合に用いるのは光束(ルーメン)です。 ルーメンというのは判りやすく言えば光源から発する光の総量です。一方、照度(ルクス)や 光度(カンデラ)は特定の面や方向における明るさを表す単位ですので光源(あるいは光源 を取り付けた照明器具)からの距離や方向により値が違ってきますので光源の能力比較の 単位としては適していません。 上記グラフは光源別の発光効率の歴史と今後の予測です。発光効率というのは1ワットの 電気エネルギーからどれだけの量の(何ルーメンの)光が取り出せるかを表した数値であり 当然この数値が大きい方がいい光源ということになります。 照明用の白色LEDは電球や蛍光灯の歴史に比べればつい最近始まったばかりですが長い 歴史をもつ電球を上回り近い将来にも蛍光灯を追い越すと言われてます。既に小型の主に ディスプレー用途に使われるLEDでは150ルーメン/Wと蛍光灯を大きく上回るものも でてきています。 LEDが21世紀の明かりと言われるのはこのような背景のためです。

2.発光の原理が違う

電球、蛍光灯、LEDでは電気が光に変わるまでの仕組みが大きく違います。

電球
熱発光(熱放射)。高温で真っ赤になっている製鉄所の鉄から赤色の光が発光している様子あるいは太陽からでている光と同じ原理。 エネルギーの多くが光より熱に変わるため光源としての効率は悪い。
蛍光灯
光を蛍光体などの物質に照射することで必要な別の光(最初の光より  波長の長い(エネルギーの低い光)に変換する。電気 → 光(紫外線など) → 物質(蛍光体など) → 光(可視光) フォトルミネッセンス発光といわれる。
LED
物質(半導体など)に電子を通過させる(電気を流す)ことで必要な光を作る。 電気 → 光(可視光)  エレクトロルミネッセンス発光といわれる。

もう少し詳しく知りたい方は−発光原理から見た3タイプの照明方法−

3.明るさ以外の各光源の特徴

明るさは照明に求められるもっとも重要な要素の一つですが、明るさ以外にも寿命、コスト、 必要な点灯装置(電源)などLEDと電球・蛍光灯でどう違うか比較してみましょう。

電球 蛍光灯 LED
発光効率 10数ルーメン 70〜100ルーメン 50ルーメン
LEDは2007年現在、蛍光灯に発光効率は及ばない。しかし今後近い将来には蛍光灯を上回り100ルーメン/W以上の光源になると言われている(詳しくは上述記載を参照)
寿命 1000時間程度 3〜10,000時間 1〜5万時間以上
LEDの寿命は長く基本的には電球や蛍光灯のようにいきなり切れることはない。ただし使用環境や流す電流の量あるいは放熱の程度などで、本来もっている長寿命をどこまで引き出せるかが決まるわけですべてのLED照明器具が絶対的に長寿命であるというこではない。また、LEDはon/offを何度繰り返してもそのことで自体で寿命は悪くならないのも大きな特徴である。
発光波長 赤外線が多い 可視光線に近い 可視光線のみ
電球は赤外線を多く含む波長となり当たると顔が熱くなる。白色LEDは400〜800nmつまり人間が光と感じる波長域と同じ波長のみを発光できる。弊社の寝室読書灯LFX1も顔の近く使っても顔が熱くならないと好評です。
耐震性 弱い 弱い 非常に強い
あまり知られていないがLEDは振動に強い。アメリカではLEDのことを俗称でSolid Light(頑丈な光)というくらい丈夫な発光素子として有名である。弊社のパワーエルバーも振動の大きい切断機など産業機械に多く納品しています。
応答性 数百ms 1秒程度 10ns
これもあまり知られていないがLEDは電気が流れるとほぼ同時に点灯する。有名な用途としては白色ではないが自動車のブレーキランプに赤色LEDが使われているのがいい例である。
点灯方法 電気−熱−光 複雑 電気−光
LEDは乾電池+抵抗(簡単な電子部品)のみで点灯可能。ソーラー発電などの自然エネルギーや12/24V電源の自動車などに多く使われています。 弊社の街路灯LGTシリーズも風力・太陽光発電灯向けに多く納品させて頂いてます。また蛍光灯では難しい調光が簡単にできるのもLEDの特徴です。弊社のデスクライトLFX3の調光も非常に好評を得ています。
デザイン(意匠) 割と自由 制約が大きい 新たな可能性
LEDは発熱が少なく一個が非常に小さいためこれまでにない照明器具のデザインが可能となる。
指向性 なし なし 選択可能
電球や蛍光灯は360度すべての方向に発光しているのに対し、LEDはLED素子自体が指向性をもっており用途に応じLEDを選択することで必要のないところには光を放射しないことで光害をなくすことを可能にしている。
価格 かなり安い 安い まだ高い
沢山の種類とメーカーがありますが基本的にLEDの価格は毎年下がり続けており今後も下がっていくと思われます。弊社がLEDの事業を創めた2001年度には照明用1WパワーLED(米国製で18ルーメン程度を発光)を2000円程度で購入していました。つまり¥111/ルーメン。しかし2007年度現在では¥10以下¥3〜¥7/ルーメン程度くらいまで急激に下がってきていると思います。それでも電球や蛍光灯なら¥1/ルーメン以下程度ですのでまだ高いです。しかし上記にようにLEDでしか出来ない長所を活かした用途には価格のマイナス要因を補って有り余るメリットがありすでに多くのLED照明が商品化されています。
今後LEDのルーメン/¥がさらに下がっていくことで特定の用途の照明だけでなくより多くの一般照明器具に採用が促進されていくと思われます。

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